実測の表をどう読むか

使った解き方が2つしか並んでいない——これがこの50枚の性格です。 ロックされた候補も、ネイキッドペアも、隠れトリプルも1問も要りません。 当てずっぽうで置いて戻す必要もありません。

面白いのは、実測の表で中級と上級の行を見比べたときです。手がかりの数は変わらないのに、 上級では50問中47問で、途中でロックされた候補を使うことになります。 数字が近いのに、使う道具が違う。 束から1枚選ぶ基準にするなら、手がかりの数ではなく解き方の欄です。

押すと問題のPDFの4枚目が開きます。

読むときに1つだけ注意があります。「使った解き方」は、解き終えるまでに 出番があった手筋の一覧で、外すと解けなくなるものではありません。 出番があっても、無くても解ける手筋はあります。どれが無いと解けないかは、 版面がその隣の列で別に出しています。2つの列を取り違えないでください。

ただしその列は、上級より上の手筋まで使ってよいとしたときの数です。 この50枚を上の2つだけで解くなら、唯一候補法は13問、隠れ唯一候補法は50問とも要ります。

同じことが、この束の中でも起きています。実測の表の並びで、いちばん少ない問題も いちばん多い問題も、並ぶ解き方は同じ2つです。表の左端の数を見て 「これは手強そうだ」と身構える必要はありません。

候補を書く前から迷うようなら初級から始めてください。

50枚の使い方

PDFは2通りあります。50枚をまとめた版(nanpure-chukyu-50.pdf)と、先頭の10枚だけの版(nanpure-chukyu-01.pdf)です。 先頭の10枚は50枚の1枚目から10枚目と同じ紙なので、まず10枚だけ刷って試し、気に入ったら50枚の版を使うこともできます。 どの紙にも「3 / 50」のように通し番号が入っていて、並びは作った順です。難しさの順には並べていません。 50枚を一度に刷らなくても、印刷画面の「ページ指定」で「1-10」のように範囲を決めれば、必要な分だけ出せます。解答も同じ番号で別のPDFにそろえてあります。

中級で止まったときに効く、2つの見つけ方

中級で手が止まるのは、たいてい「候補を書いたつもりで1つ書き漏らしている」か、 「数字の側からマスを探していない」かのどちらかです。この50枚は、次の2つさえ 押さえれば最後まで動きます。

手筋そのものの説明はナンプレの解き方 基本テクニックにあります。 ここでは、この50枚で実際に効く使い方と、初級から何が増えるかを書きます。

まず唯一候補法で盤面を一巡します。1マスも埋まらないことがありますが、 それは無駄足ではありません。「いま候補が1つに絞れるマスは無い」と分かった時点で、 次にやることが数字の側から数えることに決まるからです。埋まるマスがあるうちに 数字の側へ移ると、候補が古いまま残っていて数え間違いのもとになります。

数え直す順番も決めておくと速くなります。ブロック→段→列の順で回すのが楽です。 ブロックは9マスがひとかたまりで見えるので、入る場所が1か所しかない数字を見つけやすく、 1つ確定するたびに、その段と列の候補も減ります。

この50枚は、上の2つを組み合わせるだけで最後の1マスまで埋まります。 書き漏らしを潰し、行き詰まったら数字の側から数え直す。それで動かない箇所は 残っていません。当てずっぽうで置いて戻る場面は、この束には1つもありません。

1問目の最初の一手(このページで試せます)

言葉だけだと分かりにくいので、実際に配る1問目で見てみます。 このページの上にあるミニツールに出ているのが、その盤面です。

この1問目には、いきなり埋まるマスが1つもありません。 空いている53マスを1つずつ見ても、候補が1つに絞れるマスはゼロです。 唯一候補法だけを繰り返している人は、ここで止まります。

そこで数字の側から見ます。左上のブロックで、5はどこに入るかを数えてください。

  • 1列目の3マスは、同じ列の4段目にすでに5があるので入れません
  • 2段3列と3段2列も、それぞれの段に5があるので入れません
  • 残るのは1段2列の1マスだけです

だからそこが5で確定します。このマスの候補は3・5・6の3つあり、 マスの側から見ているかぎり、いつまでも決まりません。 5という数字の側から「入れる場所はどこか」と数えたときにだけ現れます。

最初の1手がこれ、というのが中級の性格です。 同じやり方で、真ん中の段のいちばん右のブロックの2、いちばん下の段の真ん中のブロックの6、 右下のブロックの8も、最初から確定させられます。

中級で覚えるのは、手筋ではなく向き

初級から中級で増えるものは1つだけで、しかもそれは新しい形を覚えるものではありません。 探す向きが逆になるだけです。

唯一候補法は「このマスに何が入るか」と、マスの側から見ます。 隠れ唯一候補法は「この数字はどこに入るか」と、数字の側から見ます。 盤面も、書き込む候補も同じです。変わるのは問いの立て方だけです。

マスの側から見る癖がついていると、候補を書き込むこと自体が目的になりがちです。 候補はメモであって手筋ではありません。書き終えたら、こんどは数字を主語にして 同じ盤面を読み直す——中級はその往復に慣れる場所です。

だから手が止まったときに、覚えていない手筋を探しにいく必要はありません。 同じ盤面を、向きを変えてもう一度数える。 それでこの束は最後まで動きます。 この切り替えは次の段の準備にもなります。上級で最初に増えるロックされた候補も、 数字の側から見る手筋だからです。

この50枚をどう線引きして作っているか

境目は、解き終えるまでに何を使うことになるかで決めています。

物差しは手がかりの数ではなく、使う手筋がどこまで上がるかです。 マスの側から見るだけでは、この50枚は50問とも途中で止まります。 そこへ隠れ唯一候補法を足すと50問とも最後まで届きます。ここが初級との境目です。 その上には、ロックされた候補とペア・トリプル(ネイキッド/隠れ)の段があり、 そこを使うことになる盤面は上級に回しています。

抜き方は他の難易度と同じで、1組抜くたびに答えが1通りのままかと、 中級の枠を超えていないかを見ます。どちらか外れたら、その1組は戻します。

作ってみると、この2つは力が釣り合っていませんでした。 戻した2,258組のうち、「答えが2通りになるから」が2,214組。 難しくなりすぎて戻したのは44組しかありません。

同じ数え方を初級でやると、比率が入れ替わります。戻した理由に占める難易度の割合は、 中級が1.9%なのに対して初級は11.1%。易しく作るほうが難易度の枠にぶつかりやすい、 というのは数えるまで分かりませんでした。母数が違うので、組の数そのものを 並べても意味がありません。割合で見て初めて向きが見えます。

抜いたあとどう検算しているかは問題・線画の作り方にまとめてあります。