実測の表をどう読むか
難問のこの50枚で出番があった手筋は、唯一候補法と隠れ唯一候補法を含めて10種類です。上級の50枚は唯一候補法・隠れ唯一候補法・ロックされた候補・ネイキッドペア・隠れペア・隠れトリプルの6種類で足りていました。難問ではそれが10種類に増えています。
押すと問題のPDFの4枚目が開きます。
境目はロックされた候補ではありません。この難問50枚でもロックされた候補は38問で使いますが、これが無いと解けないのは8問だけです。それだけなら上級の延長にすぎません。決定的なのはXY-Wingで、50問中48問は、これが無いと解けません。上級では1問も出てきませんでした。残りの2問はX-Wingが働く問題です。50問のどれもが、XY-Wing・X-Wing・Swordfishのうち少なくとも1つを必要とします。この50枚を「難問」とひとまとめに呼べる理由は、手がかりの数ではなく、この3つのどれかが全問で要ることにあります。
さらに、X-WingとSwordfishという「魚の手筋」――複数の段と列にまたがる並びから候補を消す手筋――が、このページで初めて登場します。X-Wingは16問で使い、これが無いと解けないのは2問です。Swordfishは2問で使い、2問ともこれが無いと解けません。中級の50枚(唯一候補法と隠れ唯一候補法の2つだけで解ける)にも、上級の50枚(ロックされた候補とペア・隠れトリプルまでで解ける)にも、魚の手筋は出てきません。難問から先でしか出会わない手筋です。
手がかりの数で見ると、この50枚の平均は28個で、中級50枚にも上級50枚にも差がありません。いちばん少ない問題の24個、いちばん多い問題の32個まで、3つの段で同じです。それでも解くのに出番があった手筋は10種類まで増えています。手がかりの数は難易度の目安になりません。束から1枚選ぶ基準にするなら、手がかりの数字ではなく使った手筋の顔ぶれです。
言い換えると、中級から難問まで手がかりの平均はほとんど動かないのに、使う手筋の種類だけが2種類→6種類→10種類と増えていきます。紙を配る前に難易度を見分けたいなら、手がかりを数えるより、このページの表がどの手筋まで並んでいるかを見るほうが早く判断できます。
上級までの6手筋に慣れている人でも、XY-Wingを知らなければこの50枚の大半は途中で止まります。逆に言えば、XY-Wingさえ押さえれば大半のマスは動くようになり、そこにX-WingとSwordfishを足せば最後まで届く、という見通しが立てられる50枚でもあります。
もっと手筋を絞って解きたい方は上級、まずは基本の2つだけで慣れたい方は中級をどうぞ。
50枚の使い方
PDFは2通りあります。50枚をまとめた版(nanpure-nanmon-50.pdf)と、先頭の10枚だけの版(nanpure-nanmon-01.pdf)です。 先頭の10枚は50枚の1枚目から10枚目と同じ紙なので、まず10枚だけ刷って試し、気に入ったら50枚の版を使うこともできます。 どの紙にも「3 / 50」のように通し番号が入っていて、並びは作った順です。難しさの順には並べていません。 50枚を一度に刷らなくても、印刷画面の「ページ指定」で「1-10」のように範囲を決めれば、必要な分だけ出せます。解答も同じ番号で別のPDFにそろえてあります。
難問で手が止まったときの手順
難問で行き詰まる場面のほとんどは、段・列・ブロックを見ても候補が2つ以上残っていて、ロックされた候補やペアの手筋だけでは絞りきれない、という状況です。
先に唯一候補法・隠れ唯一候補法で埋まるマスを全部埋め、次にロックされた候補とペア・トリプルの手筋で候補を削り切ってから、次の2つに進むと無駄がありません。これらを先に済ませておかないと、候補が減りきっていないマスばかりでXY-Wingの相手を探すことになり、見つかるはずの形を見落とします。
1. まずXY-Wingを疑う
候補がちょうど2つだけのマスを3つ探します。1つを軸(P)とし、Pと同じ段・列・ブロックのどれかを共有する2つのマス(QとR)を見つけます。Pの候補が「2・7」、Qの候補が「2・9」、Rの候補が「7・9」だったとします。QとRの共通候補は9です。QとRの両方から見えるマス(Qのいる段・列・ブロックとRのいる段・列・ブロックの両方に入るマス)があれば、そのマスの候補から9を消せます。Qが9でなければPが2ではなく7になりRが9になり、逆にRが9でなければPを通じてQが9になるからです。どちらに転んでも、両方から見えるマスには9が入りません。この50枚は50問中48問がここまで要るので、候補が2つだけのマスを見つけたら、まずつながる相手を探すのが近道です。
2. 魚の手筋は、出番が来る問題を選んでから探す
X-Wing はこの50枚のうち16問、Swordfish は2問で登場します。 両方を使う問題が1問あるので、どちらかが要る問題は50問中17問で、33問では出番がありません。 XY-Wing まででどうしても動かない問題に当たったときだけ探せば足ります。 どちらも「ある数字の入る列が、いくつかの段で同じ数の列に収まっている」形で、 見つけ方と具体例は 難問ナンプレの攻略 に書きました。
このほかに、ロックされた候補(38問)・ネイキッドペア(11問)・隠れペア(14問)・ ネイキッドトリプル(4問)・隠れトリプル(3問)も使います。 名前と仕組みはナンプレ上級テクニック で確かめられます。 手が止まったまま動かないときは、たいてい手筋そのものより候補の書き漏らしが原因です。XY-Wingは候補がちょうど2つのマスを起点に探すので、候補を3つのまま書き落としていると、そのマスが起点として見えなくなります。X-WingとSwordfishも同じで、ある数字の候補をどこかのマスで消し忘れていると、対象の列や段が1つ多く見え、形が成立しているのに気づけません。詰まったらまず、直前に消せるはずだった候補が残っていないかを1マスずつ見直してください。
この50枚の中でも、使う手筋の組み合わせは1問ごとに違います。XY-Wingまでで最後まで届く問題もあれば、そこにX-WingやSwordfishまで重ねて初めて解ける問題もあります。1問目で使った手筋が2問目でも同じ順番で効くとは限らないので、行き詰まったら1と2の手順に一度戻って探し直してください。
この盤面はどう作っているか
魚の手筋が出てくるのは、上限をどこに置くかを決めた結果です。
難易度は手筋に段位を振って決めています。唯一候補法が1、隠れ唯一候補法が2、 ロックされた候補とペア・トリプルが3、そして X-Wing・XY-Wing・Swordfish が4。 問題を解くのに必要だったいちばん高い段位が、その問題の難易度になります。 難問はこの4段目に上限を置いたページです。魚の手筋がここで初めて出てくるのは、 上級(3段目まで)の上限では魚が要る盤面を作れないからで、順番が逆ではありません。
抜き方そのものは他の難易度と同じで、1組抜くたびに 「答えが1通りのままか」と「4段目を超えないか」の2つを見て、外れたら戻します。 この50枚では91,922組を調べ、25,008組を戻しました。 そのうち4段目の枠を超えて戻したのは274組(1.1%)、残りは答えが2通りになる組です。 掘った先で難問に届かなかった完成盤は、283回作り直しています。
上限があることが、超難問との違いです。 超難問には上限がありません。 手筋を全部当てても動かなくなった盤面がそのまま超難問になるので、あちらは50問とも 手筋だけでは最後まで行きません。難問の50枚は50問とも手筋だけで最後まで解けます。 当てずっぽうで置いて戻る必要はありません。そこが境目です。 抜き方と検算の共通の仕組みは問題・線画の作り方にまとめています。












